カウンセラーの気づき一雫(ひとしずく)

無為に感じる連続が紡ぎ出すもの

time 2015/09/17

無為に感じる連続が紡ぎ出すもの

頑張ったとか
楽しかったとか
充実したとか
そんな気分の後に空虚な気分が強く感じられます。

一番強く残っている記憶は出産翌日。
疲労困憊…とはこの時のためにある表現だと感じるほどのがんばり、そして全身を覆ったあぶら汗を看護師さんに熱々のタオルで拭って頂いた気持ち良さを感じた翌日のこと。地球上のすべての人に「ありがとう」を言いたいほど感謝でいっぱいになった後、ほどなく味わった空虚感は20年経ってもまだ鮮明です。それまで生きて来た中でたぶん一番透き通る自分を感じた瞬間がアッという間に消え去ったこと。

それまでに受けた傷つきも一掃されたように晴れ上がる気分に満たされた出産直後の経験は今でも時々思い出します。でもそんな気持ちはたった半日で脆くも萎んでしまいました。

萎んでいく様はバスタブの栓を抜くとお湯が引いていくようにハッキリと感じられました。

人生の一大事を経験したあとですら虚空をみるような気分に陥る私。
頑張った…と思える仕事を済ませた後も充実感は一瞬で終わり、また無為にすら感じるフツーの時間の連続がやって来ます。

感動の映画を観た後も
親しい友だちと楽しくお茶した後も
お構いなく地味でフツーの時間が流れます。

いつの頃からか、これが普通なのだ…と思えるようになりました。

なぜなら無為だと感じる地味な時間があるからこそ 瑞々しく光る一瞬にたどり着けるのだと思えるようになったからです。いつもいつも瑞々しく輝けるなんてことはない。そんな人が居たとしても、それはそう見えているだけで、その人もたぶん地味で淡々とした時間を過ごしているのだろうと想うから。

フローリングの床をきれいに拭き上げたって
TVの裏側のホコリをふき取ったって
HPの文章を確認し「てにをは」を少し変えたって
ワークショップで使うシートを何度も作り直したって
このブログを書き続けていたって
大して誰かに気づかれることはありません。

人目に触れるまでのプロセスは誰にも見えない。
一人パソコンに向かい作業している時、ふと独りを感じ、思わずワンコを抱き上げることがあります。

だからといって不毛なことだとも感じていない。
目立たない、
華やかでもない、
地味で淡々とした時間。

でもこんな日々を続ける中で一瞬感じる喜びを味わうために地味でフツーな時間の連続があるのだと思えるようになったのです。

スケジュール帳を埋めることに躍起になる人に「大丈夫よ」と言ってあげたくなる。ひとりの地味な時間はみんなが味わってるから、そして、その時間をしっかり感じることも大切だということ。

スケジュール帳を埋めるためだけに誰かに会って騒がしく話した後、虚空を見つめるようになるのは余計につらい。

だから、フツーの日々にささやかな喜びを見つけ、それにフックをかけ、取り出し、小さな感謝の気持ちを向けられたら、それは幸せ。幸せと感じる、自分固有の幸せを持った人には比較不要の幸せな人生が既に手に入っているのだと思えると、虚空が虚空でなくなるかも…。

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