黒のお話し

黒のお話
「黒」というと、みなさんどんな印象をお持ちでしょうか?「死、悪、闇」「オシャレ、カッコいい」プラスマイナス両面の表現が思い浮かびますね。そこで今回は特にプラス面をクローズアップしたいと思います。

全ての光を吸収してしまう黒。そんな黒を全身で感じる「暗闇」の効果をご存じでしょうか?視覚を閉ざされた暗闇の中で私たちの心理状態はいったいどんなふうに変化するのでしょう?
暗闇の中で私たちは、ほんの少しの光にも敏感になります。感受性も高まり、普段より一層感情が豊かになるのです。「そう言われれば、そうかなぁ?」と気づかれるかたも多いのではないでしょうか?

下記ではこの効果に影響を受けた人間の心理をご紹介します。取り入れられる内容があれば、使ってみてくださいね。

美術館では
美術館内の暗さは「作品を劣化させない為」だけでしょうか?
もちろん、その役目も大きいのですが、ただそれだけではないようです。作品を注意深く観るためにも照明を落として、感受性を豊かに…そう、観る側の感度をアップさせる役目もになっているようです。館内が蛍光灯で照らされ、すべてがあからさまに見えていたらどうでしょう?何だか興醒めしてしまいそうな気がしますね。

勘違いも時には…
いつも以上に感覚が鋭くなる暗がりでは、脳も興奮しやすくドキドキ感も高まりやすいのです。「意中の相手を今日こそは!」と思ったら、なるべく暗い所へ誘ってみるのも一つの手かもしれません。映画館やお化け屋敷、飲食店でも最近は天井まで黒く塗った隠れ家的なお店も増えています。大して好意を持っていない相手に対しても、暗い所では、暗闇に対する脳の興奮が「一緒に居る異性への思い」と錯覚とさせてしまうのです。これを錯誤帰属と言います。この効果で一気に接近したあと 本当の自分の良さで「真の恋人」になるというのも有効ではないかしら?
(情動の錯誤帰属説:「原因がよく分からない生理的な覚醒、興奮がある時に、そばに異性がいると、自分が興奮しているのはとりあえずその異性のせいだと間違って思い込んでしまう→吊り橋効果とも呼ばれます)

高級感…
安物のチョコでも黒いパッケージだと、どうですか?なんだか高級品に見えませんか?
黒は「ハッタリの色」とも表現されるほど、中身の価値を上げてくれるのです。品物だけではなく、人にも応用できるのです。たいして仕事ができない人でも黒い服に身を包むとそれだけでキャリアを積んだベテランさんに見えたりします。そう、黒は本来のものよりランクアップさせて見せる効果があるのです。

◆ 白と黒の共演 ◆
最後に白黒効果について、私が感じることをお伝えします。
カラー写真と白黒写真についてなのですが、、、、
現在では、手にする写真のほとんどがカラーですね。そんな中、私は白黒写真に魅力を感じる一人です。カラーで見てしまうと、それはそれだけのもので、「それ以上でもなく」「それ以下でもない」のです。でも白黒だとそこに見た人の想像が入るのです。見た人参加型の写真に変わるような気がするのです。こんなことを言うと、「いいや、参加なんてしないよ!」という声も聞こえてきそうなのですが、人間の無意識の領域に関わることで「色が無い」ことによって見る人が勝手に美しく仕上げてくれるようです。一度お試しください。