・自分を知る方法(投影)

自己との対話

占いや手相はいつの世も私たちの興味を惹きます。

今の自分はどんな状態なのか?
将来、どんな方向へ進めばいいのか?

現在の立ち位置や将来の方向性など、自分の運勢を知りたい。
….誰にとっても最大の関心事です。

ただ、
ここでお伝えするのは、占いで紐解く運勢のようなものではなく、自身の内側を知る手立てについてです。

自分のことではあるけれど、
自分が一番わかっていない。
知ることを避けている。
……ということもあります。

避けている本来の自分の姿を知ることでショックを受けることもあるけれど、やはり、自己を知ることで自分を改めたり、進化(深化)に繋がることも期待できます。

自分を知る手立てとは?

それは、私たちが見たもの、聞いたもの、感じたことに対して起こる自分の反応によってわかる….という投影の原理を使ったものです。

投影

投影というのは自分の思いや思考のクセが人やものを通して映し出される心の働きをいいます。

例えば、
道ばたに咲く一輪の花を見つけた時
 ➝きれいだなぁ、可愛らしいなぁと思う
 ➝寂しそうに感じる

同じものを見ても、その時に芽生える感情はさまざまでしょう。これは、見た人の「今ここ」の状態が反映されているからです。

さみしく感じる時は
 ➝彼と別れたばかりだったり
 ➝職場での人間関係がこじれていたり
 ➝楽しみにしていた約束がキャンセルされた

….など、心の状態がポジティブでない様子がうかがわれます。

例)
では、対象が人である場合の投影をみていきましょう。
1)活発に意見をいうAさんを見て
 ➝ B:歯切れの良い発言は気持ちいいなぁ…と感じる
 ➝ C:ハッキリものを言い過ぎよ!感じ悪いわ…と思う
【解説】
Aさんの態度をポジティブに捉えるBさんに対し、Cさんは、Aさんをよく思っていないようです。

Cさんが引っ込み思案で自分の思いを抑える傾向のある人だったとしたらどうでしょう?意思を発言できないことにコンプレックスを持ち、自分を情けなく思っているのかもしれません。そうするとAさんを羨ましく思い、妬みのような感情が湧き上がっても不思議ではありません。このような自分の本音を知ることは、辛く避けたくなることもありますが、一方、今後の課題としては良い気づきを得たことになります。

2)「最近、飲み会の誘いが多くて…」というDさんに対して
➝ E:そうなんだ、つき合いがいい人なんだろうなぁ…と感じる
➝ F:友だち多いって思われたいの?…と思う

【解説】
Eさんは、ポジティブに捉え、Fさんからは批判めいた思いが伝わってきます。
Fさんは対人関係が苦手で友人が少なく、ほとんど誘いがない…としたら、Dさんへの羨ましさから皮肉った捉え方になっているとも考えられます。

見たくなかった本当の自分

周囲への反応によって自分の状態を知ることができるのなら、自分の世界を見る目を意識することは重要になってきます。

中でも特に、
「影」の部分(自分の見たくなかった部分)を避け続けていると、その後も同じところで同じような気分が繰り返されます。

人は自分が「強く思っていること」「こだわっていること」はとても重要で投影されやすいようです。私たちの日々は、そのような自分の思いから出来上がっているといっても言い過ぎではありません。相手へのネガティブな反応を気にかけてみるとハッとすることが浮かび、気づきにつながることが多いです。

投影は気づきのチャンス

同じシチュエーションでも、受け止める人、また、同じ人でもその時の心の状態によっては、捉え方に違いがでることがわかります。いつも、偏りなく物事を捉えられることが理想ですが、そうもいかないのが私たちの心です。
ポジティブな状態が良くて、ネガティブな状態が悪い….というのではなく、投影された内容を自覚することで「今、ここ」の心の状態に気づく手がかりとなります。

私たちの気分は、周囲や相手側に左右されるというより、私たちの心の状態や思考のクセが反映している…という視点で自身を振り返ることができると、気分は変わってこないでしょうか?

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2006.10.23
改編
1)2015.06.22
2)2021.12.18


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