アイメッセージ(さわやかな自己表現)

さわやかな自己表現 コミュニケーション

言いにくいことをついつい我慢してしまう。
また、我慢しながらも態度に出て後悔することになる。
言いたいことはシッカリあるのに、どう伝えたらいいのかわからない。
そんな時の効果的な表現方法について、ご紹介します。


「私の態度をみたら、わかるでしょう!」
「言わなくてもわかってよ!」…など。

こちらの思いを相手に察してほしい…と期待すること….あります。
しかし、実際はむずかしい(>_<)。

私たち日本人は、断りや反対意見は言いづらい傾向が強いです。人によっては素直に思いを伝えられない分、嫌味や皮肉になり、言った本人も後味の悪い思いになることがあります。

しかし、そんなシチュエーションでも後悔が少なく、両者にとってより良い表現方法があります。自分の気持ちに嘘をついたり誤魔化したりしない、後でモヤモヤが残りにくい表現方法をご紹介します。

アイメッセージ

「アイメッセージ」の「アイ」は英語の「 I (アイ)」の意味で、「私」を主語にして伝えるメッセージのことです。

早い話が
「私は〜〜です。」ということなのですが、これだと「もう既にやってるよ」と思われますよね。ただそれは、やり取りがうまく運んでいる場合が多いです。

では、
主語を変えることで伝わり方が変わるということを例を挙げてご紹介します。
※日本人は主語を省略することが多いので下記は主語をカッコ書きにしています。

夫 婦 編

休日、お昼近くまで寝ている夫に向かって。
夫婦喧嘩
①  YOUメッセージ
妻:休みの日になると、あなたはゴロゴロ寝てばっかり!
   この間から頼んでるパソコンの調子早くみておいてよ!
夫:仕事で疲れてるんだ。グチグチうるさいなぁ、いつもお前は!

 
②  I メッセージ
妻:あなたが横になっていると(私は)掃除ができなくて困るのよねぇ。
   それから、この間から頼んでるパソコン修理覚えてる?
   今日やってもらえるとたすかるんだけど
夫:あぁ、そうだったなぁ。ゴメンゴメン。

嫁 姑 編

子育てに口を出す姑とのやりとり
嫁姑
① YOUメッセージ
嫁 :(お義母さんは)なぜそこまで子育てに口を出すんですか?
    私の子は私が育てます。
姑 :何よ、あなたが病気の時は私がみてあげないと困るくせに。
   都合のいい時だけ預けに来て、勝手な人ね。

② I メッセージ
嫁 :お義母さんに叱られると、(私は)私なりに頑張っているつもりなので、やりきれない思いです。
姑 :そぉお。
  私は孫のためだと思って言ってたし、叱ってるつもりはなかったんんだけどね。これからは口出し過ぎないように気をつけるけど、頼れるところは頼ってほしいわ。

※こんなに上手く行くことは少ないかもしれませんが、言いすぎたり、言わずに我慢するよりは、ずいぶん気分は違うと思います。

親 子 編

冬の寒い日、門限過ぎて帰宅した子どもに対して
叱る母
① YOUメッセージ
母 :(あなたは)今何時だと思っているのよ!!
いつも6時には帰ってきなさいって言ってるでしょう。
  (あなたは)何回言ったらわかるのよっ!
子 :うるさいなぁ。いっつも。
  わかった、わかった (めんどくさそうに)。

② I メッセージ
母 :6時過ぎてるよ。外はもう暗いでしょう。(事実)
   (私は)すごく心配したわぁ。(事実)
  遊んでくるのはいいけど、時間気にしててね。(希望)
子 :わかったぁ。明日から気をつけるよ。ごめんね。

相手を責めずに「感情」を伝える

簡単な例を挙げてみましたが、IメッセージとYOUメッセージの違いお分かり頂けましたか?

Iメッセージは主語を「私は」にすることで、相手やその時の状況について自分はどう感じているかを正直に相手に伝えられます。そして、言われた相手は「責められた」という感情を抱きにくく、そのことを素直に認めやすくなります。

YOUメッセージは主語を「あなた」にすることで相手や状況について「あなたのせいで」私は不快になっているということを感情的に伝えています。そうすると責められたと感じた相手は、自分を守るための言動を考えるようになるのです。萎縮したり、すねたり、自己防衛の為に怒ってみせたり、お互いに嫌な思いをすることになります。
感情を伝えるのと感情的になるのは違うことがわかって頂けたと思います。YOUメッセージはトラブル発生に至らなくても、相手の気分を害することが多いです。

Let’s トライ!

まず困ったシーンではなく、感謝や喜びの気持ちを伝えてみることから始めてみましょう。

「~~してくれて(私は)助かった」
「そういってもらえて(私は)嬉しい」
など感謝の気持ちは伝えやすいものです。

枕ことば(話し始め)として「いつもありがとうございます」「助かってます」といってから本題に入るとスムーズです。

すでにできている人は、ほんの少し困ったことなどを、事実ベースで伝えてみましょう。そうすることで、今まで伝えられなかった困ったシーン(トラブルなど)で、「~~されて(私は)困った」「そういわれると(私は)つらい」など、複雑な気持ちも少しづつ伝えられるようになれば、心地よい気分が生まれ自信にも繋がります。

ただ、頭の中ではわかっていてもやはり相手と違う意見を発信する時は「拒絶されないか?」「嫌われないか?」と不安になりますが、少しずつトライしてみてください。

ついつい攻撃的になってしまう方は納得できる自己表現考を参照してみてください。

人と関わる時に大切なこと

誠実に感情を伝えた後、相手が気分を害したり傷ついたのなら話し合う必要があります。しかし、後のことを考えすぎて(相手の気持ちを読みすぎて)気持ちを抑え、ストレスを溜めることは避けたいです。

なぜなら、いくら気をつけていても、あなたの気がつかないところで相手を傷つけてしまったり、良かれと思ってしたことが裏目に出ることもあります。つまり、相手を傷つけまいと気持ちを抑えすぎたり、自分が傷つくことを恐れて発言を控えるより、傷つけたり傷ついたりすることがあることを心に留め、伝える時の表現方法に知恵(心)を遣うことが大切です。

そうしながら人と人は繋がり、表現スキルと思いやりのマインドは育っていきます。

アサーション実践への第一歩

アサーティブを実践するのに一番大切なことは、まずあなたが自分の湧き上がる感情を受け止められていることです。アサーティブになるということは、自分の気持ちに気づき、それを言葉にできることから始まります。
 

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