・一人っ子を育てること

子育て・親育ち

「一人っ子はかわいそう」….そんなことを言う人は少なくなったのかもしれません。ただ、言葉にならない声を感じたり、親本人がそう思うこともあるようです。そこで、一人っ子って….そんなにかわいそうなの?をテーマに綴りました。


「一人っ子はかわいそうだから、早く次の子を産まなければ」と焦るママさんの発言を聞いたことがあります。
確かに、兄弟姉妹がいると、賑やかで楽しそうに見えるし、譲り合う精神なども育つというポジティブな面ばかりが目についたりしますから、そんな焦りがこみ上げても無理はないと思います。

・兄弟姉妹がいることは
賑やかでいつも楽しく幸せ・・・というプラスイメージ
・一人っ子は
我がままになりがちだし、寂しくてかわいそう……というマイナスイメージ

こんなイメージが先行して
兄弟姉妹の有無が育つ環境の優劣につながっているように思います。

一人っ子はかわいそうなのでしょうか?

一人っ子はわがままで自己中心的に育つというのは本当なのでしょうか?
賑やかなことが必ず幸せを感じさせることにつながるのでしょうか?
イメージではなく冷静に考えると疑問が湧いてきます。

兄弟姉妹がいれば、確かににぎやかで楽しそうですが、きょうだい間の比較で傷つくこともあります。

一人っ子は、一人遊び(お絵かき、読書、ペットの世話)も身につき、結構想像力が豊かだったりします。兄弟姉妹のいる子でも協調性の乏しい子もいれば、一人っ子でも協調性の高い子もいます。

一人っ子はわがまま
一人っ子は自己中心的
一人っ子は協調性がない
・・・などは、偏ったイメージのようです。

「一人っ子だからわがまま、協調性が乏しい…..」という暗黙の偏見にビクビクして必要以上に厳しく育てたり、過干渉になってはいないでしょうか?

見えない偏見の声は単なるイメージが一人歩きしたものに過ぎないようです。それに気をとられると、楽しいはずの子育てが苦しみの元にもなりかねません。子育てを楽しめないと、親子共々ストレスを抱えてしまい、信頼を育てる時期に大切な触れ合いが難しくなってしまいそう。

一人っ子は一人っ子の良さがあります。このまま一人っこのままでもいいし、次が生まれたらそれも良し….程度の気楽さの中で居てもいいのではないでしょうか。

最後に
私が子育て中、何度も読み返した村本邦子先生の著書からの抜粋をご紹介します。

大切なのは、子どもの成長を信じて見守る親の姿勢

一人っ子であろうと、なかろうと子どもの成長の過程には、親からの愛情と関心を注がれ、保護される必要があります。同時に、あやまちをおかして叱られ、許され、やり直すチャンスが求められる…ということも必要です。子どもは勘違い、つまづきながらも成長していきます。大切なのは、子どもの成長を信じて見守る親の姿勢です。もしも、わが子が問題を起こしたらどうしよう、その時は、「やっぱり一人っ子だから…」と世間に言われてるだろうか、いや、それは言われたくないという防衛の一心で、先走って、口を出しすぎ、子どもの自主性の芽を摘んでしまわないようにしましょう。大切なのは、間違わないことや、問題を起こさないことではないのです。子どもは必ず、大なり小なり問題を起こしますし、間違いつつ学び、育っていきます。その一挙手一投足に注目し過ぎ口を出しすぎては、せっかくの子どもの個性の目を摘みかねません。わが子の細かい事まで口出しせずにはいられない…というのなら、子どもの人生にでなく、自分自身の人生にもっとエネルギーを注ぐことを考えてみましょう。親の方に興味や仕事あるいは生きがいがなく、子どもにだけ全身全霊を預けてしまうというのでは、子どもの健康な発達を阻害してしまいます。一人っ子であろうとなかろうと、子どもの人生は子どものものであり、独立していくわが子をきちんと支援し、上手に巣立たせてやれる親はわが子にきちんと目を向け支援しながらも大抵自分の人生をしっかりと考え、自分自身の為に打ち込む何かを持っていたり、パートナーや友人との良い関係を追及しているものです。

ひとりっ子の育て方(著:村本邦子、津村 薫)より抜粋

書籍案内
ひとりっ子の育て方 著:村本邦子、津村 薫

▼改編
1:2015年7月24日
2:2021年12月9日


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