「私はコンプレックスのかたまりなのぉ。」とか
「私は〇〇にコンプレックスをもってるのよねぇ。」などの表現があります。
エディプスコンプレックスやメサイヤコンプレックスなどというのもありますが、 日本で一般的に使われているコンプレックスというのは多くは“劣等感コンプレックス”のことです。
では、 そもそも劣等感コンプレックスというのは、何なのでしょうか?
コンプレックスのメカニズム
絵を描くのが苦手
人間関係が苦手
人前で話すのが苦手
・・・・などなど、苦手で劣等感を抱くことはたくさんあると思います。
ただこれら苦手なことすべてにコンプレックスを抱くわけではありません。
苦手なことの中で、何ともいえないモヤモヤが心の中に広がる嫌な状態です。このような、自分でも説明しにくい劣等感覚をコンプレックスと呼ぶびます。
例えば、お料理の苦手なAさんは、料理上手なBさんの作った美味しい肉じゃがを食べながら、心の中で「フン!なによ!」とつぶやきながらイライラしているとします。
普通に考えると、美味しいお料理を頂きながらイライラするのは違和感があります。単に料理が苦手と言うだけではコンプレックス(複雑)にはなりません。つまり、Aさんにコンプレックスがなければ「私、料理は苦手なの。Bさんはお料理上手ねぇ。」とこれだけの発言になるはずです。しかしこのようにならないのは、Aさんの裏にどんな複雑な思いが隠されているのでしょう?
仮に、Aさんが過去に料理がヘタだという理由が、夫との不仲のきっかけになり離婚に至ったとします。そうするとAさんには、料理がヘタということが自分を離婚にまで追いやった不幸な事柄になります。そこで、離婚原因とは何の関係もない料理上手のBさんに対してムカついてしまったのです。
このように苦手なこと自体が問題…というより、それ付随する感情がしこりとなり複雑に絡み合い、心が正常に働かなくなるのことがつらさを増幅させます。コンプレックスを抱くことによりイライラ、ムカムカしたり、また必要以上に羨望意識が表れ萎縮することもあります。
コンプレックスのメカニズムを知ることで目を背けている心の奥に眠るものが見えてくるかもしれません。