・居場所づくりに意識したいこと

コミュニケーション

(2021.11のメルマガより抜粋)

「居場所、特にないですねぇ」
    ・
    ・
    ・
これは人間関係のご相談の中で
ある女性がフッ…と漏らされたひとことです。

カウンセリングが終結してから3年半が経つ
その方から近況メールを頂きました。
当時お聴きした内容を振り返ると

単身生活だけど両親の家は近く
仕事も問題なく、表面的には困ったことはない。

けれど
「時間ができても会いたい人がいない」
「友人は居るけれど、心の交流は難しい」

….このような内容でした。

そのような中で、
忙しい時には感じないけれど
時折、押し寄せる空虚な感覚。

40歳を前に言葉にしにくいものが込み上げ
る様子が伝わってきたことを思い出しました。

このような感覚については
独身、既婚者を問わず、しばしばお聴きする
内容です。

そんな時、
生きていく上で居場所を複数もっておくこと
の有用性についてお伝えすることがあります。

なぜなら
居場所と感じられる場は
心の止まり木というか、
一人じゃない感覚というか…
人生を歩む中で心強さのようなものを持たせ
てくれると思うからです。

とは言え、
そんな関わりをどうつくっていけばいいのか?
これに頭を悩ませる人は多いようです。

私自身、子育てから離れつつある時期、考え
たことがありました。独身時代からの友人は
居るけれど、その他には仕事関係の繋がりし
かないなぁ….と。

そんな頃を経て、
今は、居場所に恵まれていることを感じてい
ます。

気を楽にして人と関われる場を持ちたい
…..と居場所づくりを意識し始めた頃から、
私には心がけてきたことがあります。

それは
 「続ける」ことです。

その場がコミュニティなら
 ある程度の期間は通い続ける
相手が個人なら
 ある程度長くつき合い続ける

「続ける」ことは、その場、その相手に安心
感や仲間感が伝わり交流の入り口になると思
うのです。

「そんなことわかってる!」
「当たり前やん!」
….という声も聞こえてきそうです。

ただ、
続けるって案外むずかしかったりします。
意識していないと、その時の気分や都合で足
が遠のいたりして、自然消滅していくことが
あるからです。

足が遠のく理由としては
複数人の場合、すでに輪ができていることも
多く、疎外感を味わったり
初めの興味が薄れてしまうなど
気持ちが萎えてしまうということ。
ホント、ありがちです。

初めから楽しい♪
….という人も居ると思いますが、すぐに馴染
めないということも珍しくないと思うのです。

それでも、回を重ねるごとに打ち解けてきます。
しかし、それが待てず途中で辞めてしまい、
友だちができない、居場所が持てないとおっ
しゃる方に出会ってきました。

この人とは合わない!
この場は絶対無理!
時間を埋めるだけで無意味な場だ!

というような決定的なことがあれば、続ける
ことはないと思います。でも、ちょっとした
居づらさなら、続けることで人や場にも馴染
んでくるようです。

学生時代なら毎日同じメンバーに会うのが日
常ですが、社会人になると職場の他では同じ
場所に通い続けることは少なくなります。

そういう意味で、居場所づくりは意識してい
ないと自然にはできないことが多いと思うの
です。

今回、メールを下さった方は、カウンセリン
グ終結の少し前から再開された書道を、今も
続けているとのこと。これまで2度挫折され
た書道。今はそれまでの書道に加え、アート
的な書道を始められたそうです。そこでは、
教室の後のお茶の時間を楽しめるようにな
り、プライベートな話ができる方との交流が
始まったとか….嬉しい近況報告でした。

私自身、飽きっぽい性分で続かないことの方
が多いです。
そんな中でも2009年から始めたこのメルマ
ガと、居場所を温めておくことについては意
識することで続けられているように思います。

飽きっぽく努力が苦手な自分をわかっている
からこそ、続けることへの意識を心に留めて
きました。
続ける努力をするのではなく、とりあえずは
「しばらくは続けとこ」的なものぐさな思考
です。

ひとそれぞれ居場所の持ち方、
温め方は違うと思います。

さて、
「居場所」というワードから
今、あなたの心には
どんな人
どんな場
どんなイメージが浮かんできますか?

年末の慌しい時季に入りますが
居場所への思いを振り返るきっかけにして頂
ければ嬉しいです。


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