・疲れない関係づくり(つながり方の質)

コミュニケーション

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「周囲の人とはどんなふうにつながっていますか?」と問われ、
あなたはスグにこたえられますか?

人間関係には欠かせない「コミュニケーション力」については、書籍やネットでも数えきれません。「コミュ障」というワードも浸透し、コミュニケーション力の低い人は現代社会を渡って行きにくい・・・と思わせるようなタイトルもしばしば見かけます。こんな風潮からも人との関係に希薄さを感じている人は危機感をおぼえるかもしれません。

そもそもコミュニケーション力とは?

コミュニケーション力というのは、その場を会話で埋めるための単なる会話術を磨くような話す力ではないということは周知されています。その上で「聴く力」も大切だと言われるようになりました。しかし、私はもう一段上の「関係性を考えながら繋がる力」も含まれると考えています。

関係性を考える

関係性を考えるとはどういうことなのか?
ここからはそれを考えながら話を進めます。

▼人と関わるのがしんどい


⚫︎とにかく一人になりたくないという方の例 —- ①
・ 一人になることを恐れてスケジュール帳を埋めるかのごとく約束をとりつける
・ 時間を空けるのが怖くて必要以上のLINEに興じる
・ 内容のない話に群がり時間を費やす

本当の安心ではなく、一時の気休め的なやり取りや心の底では離れたいと思うような人との付き合いでさえ絶つことができない。息の詰まるような関係でさえ孤独を感じることが怖くて続けてしまう。そんな自分を振り返り、自信喪失体験を繰り返す。

また、長時間一緒に居て傍目からもまあまあ仲良く見える間柄だけど、振り返ると相手のことをあまり知らない。また、相手と心の通う感覚が持てず薄~いベールが二人の間に在る感覚がぬぐえない。

⚫︎とにかく一人がいいという方の例 —– ②
・プライベートなことを話したくない
・私のことなんてわかってもらえない…と思っている
・一人で居る方が楽だけれど、淋しい気持ちも強い

≫≫≫上記の①と②は一見、正反対の傾向に感じられます。
しかし、この両者は相手との程よい距離をどうとればいいのかわからず、人との関わりに困難を来たしている点で共通しています。
これまでの人間関係の中で存在を否定されたり、失敗を過度に恥ずかしく思う経験があったせいで「傷つきたくない」「傷つけたくない」という気持ちが大きいのかもしれません。

▼関係性について

「関係性」というのは関係の属性と表現した方がわかりやすいかもしれません。要するに、相手とのつながり方(どの程度自己開示)です。

▼つながりの種類

・学生時代からの友だち
・職場の上司、同期、部下
・趣味で集う仲間
・子育てを通じてのママ友だち
・パートナーがらみの知り合い
・ご近所さん

人によっては まだまだあるでしょう。
改めて振り返ると、それぞれ関係性(繋がり方の質)は違って当然です。そして、この違いを意識すれば人間関係に困った時の交通整理もしやすいように思いませんか?

つながり方の質

つながり方の質を「関係の程度」と「関係を築く目的」に分解してみました。

▼関係の程度

  1. 浅い関係
    深く関わることのない表面上のつきあい
    (ご近所さんなど・顔見知りだけどよくは知らない)
  2. 微妙な関係
    好むと好まざるに関わらず長期間のつきあいが余儀なくされるつきあい
    (PTAなどでのママ友・職場・親戚など)
  3. 親密な関係
    少々ぶつかり合って(弱み・本音を見せ)ながら、分かり合いたい関係
    (親子・夫婦・親友など長く付き合いたい人)

▼関係の目的

1)協力、支援、共感、尊敬、安心、安全、親密、学び合い
2)楽しさ、愉快さ、愛する、充実、居場所確保
3)お金、ステータス、見栄、暇つぶし …etc

これらは単に何人の人と関係を築いているかということではありません。どのような目的(目当て)を望んで、どんな関係を大切に思っているか?という意味合いです。1と2が1と3が重なっている部分もあるでしょう。

こんな振り返り方をすると、心地よい人間関係をどれだけ築けているかの目安にもなります。

どんなつながり(関係)を大切にしていますか?

 上記の「つながり方の質」を振り返られ、どんな思いが湧いてきましたか?人は、内面と外に見せている自分のギャップが少ないほど楽で居られます。その意味でもポジティブな目的(関係の目的)のもとで目的の程度の中の3番(親密な関係)が充実していると、人生の足取りも違ってくるように思います。

人間関係の中で自身の価値観を
  →再確認し、
  →それを相手と分かち合い
  →すり合せ、折り合いをつける
このことを通して、お互いに分かり合おうとする姿勢をもちながら関係を深め合う(創造する)のは大切です。
….とはいうものの、いざとなるとこれが難しい。

ただ、
人間関係に疲れ果て、関係を切ってしまおうかなどと考えた時、繋がり方の質を分解しながら一息ついてみてはどうでしょうか?
たしかに、人間関係は面倒で放り出したくなることもあります。でも、現在、関係がこじれている相手でも、人生の中でお互いに変化を遂げることもあります。何より、私たちは人間関係に大きく支えられ生きています。関係性という視点も含め、人生が豊かに広がる創造を続けていきたいですね。

2015/06/14:公開
2021/07/24:改編


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