たった今、どうしようもなく落ち込み、動けない….という人への提案です。誰かに相談してもどうにもならないとわかっている。自分でなんとかしないと!….と焦るけれど、どうしようもない。そんな状態から抜け出すための「行動優先・感情放置」という考え方について綴りました。


明るく元気な状態でなくてもイイ、ほどほどに健康で、日々の暮らしを保てていれば良いのだと思います。ただ、いつもそうはいかない…..というのが実情ではないでしょうか。

過去を後悔したり
未来を憂いながら生きるのが私たちなのでしょう。

その度合いは違っても、誰もが経験していることなんだと思います。
ネガティブな体験にはいろんなものがありますが、その中でも「喪失体験」が占めている割合は多いのではないでしょうか?
喪失体験に傷つきながらの道中、生きているのがつらくなるほどの落ち込みを感じることもあります。

喪失体験について

喪失体験というのは、死別のような決定的な別れだけでなく、老いることで若さが失われることや友人に対して信頼を持てなくなること、若年層では受験の失敗など「有ると思っていたもの」が失われたり、「できると思っていたこと」が不可能に感じられる体験です。

・仕事での失敗
・恋人が冷たくなる
・習い事が続けられなくなった

などの他、
結婚によって独身生活が失われるような、おめでたいことの裏での喪失もあります。

このような体験を想うと、人は喪失の中で生きているようにも感じます。喪失を体験しながらも、日々の活動を続けることで、無意識の内に乗り切れる人はいいですね。

でも、
立ち上がれず【憂うつの壺】に入りこんでしまうと、しんどいですよね。【憂うつの壺】というのはネガティブな状態から簡単に抜け出せない様子が想像されるので、こんなふうに表現しました。

ただ、
【憂うつの壺】の中に居ると悲しく情けなさもあるけれど、一方では長期間続くことで、そこに慣れ親しみ、落ち着く場所になったりします。つらい気持ちを味わっているけれど、その気持ちで居続ける…という変化の無さは、妙な安定につながってしまうのですね。そうして【憂うつの壺】の中に居ることでフレッシュな風を感じることが難しく、日々に精彩を欠いてしまいます。

こんな時、
喪失体験で一旦は落ち込みながらも、憂うつの壺に入らずに済む人の様子をうかがってみると、ヒントになります。

この壺に入らない人は、切り替えるという術を使っています。もちろん、喪失体験の後、一定の時間、心が沈み、動きが取れないこともあるでしょう。そして、そのことで自分が守られる場合もあるので、落ち込まないことが良いことだとは言えません。

しかし、
それが長期間続いて、壺から出られない状態は本当に辛いことです。
そうなる前に試して欲しいことがあります。

それが「行動優先・感情放置」という考え方です。

辛い人は、気持ちを何とかしようと考えこむ傾向が強いです。自分を罰する思考や必要以上に考えを巡らせることで、何か仕事をこなしているような感じ….これは、自分が無用な存在でない、と無意識に自分に言い聞かせているようにも思えます。

でも、
感情はそのままでいいんです。
感情に善悪はありません。
つらい、悲しい、悔しい、情けない、恥ずかしい

そのような湧き上がる感情に善悪はないのです。

そこで
提案したいのが、先にお伝えした「行動優先・感情放置」です。

辛い感情は、そのままで、少しでも動いてみる。大きく動かなくてもいいです。初めは、チョッとした行動でいいのです。

例えば、
・斜め上を見る
・ガムを噛む
・肩を回す

その場で斜め上を見ることができたら、その次は窓際に移動して、空を見上げるなど。本当にささやかな動きからでオッケーです。その動きを瞬間的ではなく、それを少しでも続けます。そして、その行動についてきた気分で、次にできる行動に移ります。
・コーヒーを淹れる
・目の前のものを片付ける
・冷蔵庫の中の要らないものを捨てる
など、そんなことからでも始めてみてください。

「行動優先・感情放置」を口ずさみながら……。
そうして
少しずつ、リアルな感覚が戻ってきたら、もう憂うつの壺から抜け出せているのだと思います。

※苦しい状態が2週間、3週間と続く場合は、我慢せずに受診してくださいね。

▼スタンドFMで配信しています。
 このページの朗読は
 コチラからどうぞ ≫  朗読を聴く

公開:2015年12年3日 
加筆:2022年1月10日