咄嗟の振る舞いは改善できる

コミュニケーション

◆2021年12月のメルマガからの抜粋

どんな時にその人の本当の姿が表れるのか?

日頃は落ち着いて、威厳があるように見える人が
何かトラブルが起こった時、我れ先に逃げたり、感情的な言葉を発する….そんな場面に出くわしたことはないですか?

人気の芸能人が、交通事故を起こした時、ケガ人を残して逃げるというニュースを聞いたりもします。

いくら、トラブルを想定しても、
いざ…となると、どんな振る舞いをするのか?
ほんと、その時になってみないとわかりません。

ただ、
日頃から小さな困りごとなどで意識しておくことが、トラブル時の助けになるのではないか?とも思います。
そこで以前、
尊敬する女性から教えてもらったことをシェアしながら、私自身も再確認しようと思います。

意識しておくこと…..それは、
「慌てる場面であればあるほど
ゆっくりした言動を心がける」ということ。

ゆっくりした言動とは具体的にどういうことなのか?もお伝えしていきます。

その女性との出会いから

彼女とは、あるワークショップで出会い、10余年ほどのおつきあいです。目立つ装いではないのに、なぜか華やかさが伝わってくる方。

私の7つ上で62歳。化粧っけはなく、背筋はいつもスッと伸びたスリムな方。ショートヘアで白髪染めはしていないけれど艶のある髪。憧れと尊敬の対象です。

ある時、彼女に
「◯ ◯さんは失敗されることなんてないでしょう?後悔とか無縁な感じ….」と、正直な感想を伝えたところ

「そんなことないわ、ドンクサイとこあるよ。でも、若い頃と比べると、だいぶん減ったかなぁ」

….とこんな会話から始まり、振る舞いを変えたことで、失敗や後悔が少しは減ったという話をしてくれました。

少し…というのは謙遜で、私からは完璧に等しい印象です。

私がそう感じたのは、トラブルが起こった時、皆があたふたしているのに、彼女一人落ち着いていることが多かったからです。その影響なのか、他の人の言動も少しずつ鎮まり、事態を客観的に観れるようになるのです。

彼女の態度について
聞き出せた極意は、冒頭でお伝えした
「ゆっくり」した言動を心がけることでした。

ちなみに
彼女がこの極意を身に付けたのは、銀行員時代の上司が、トラブルの時、バタバタ動き、口うるさく周囲を巻き込む割に、事態は収拾しなかったことが教訓になったそうです。

さて、
本題に戻ります。

人それぞれ後悔のポイントは違うでしょう。
それでも、共通していると思われる状態があります。

それは
「時間がない」
「お金がない」
「心に余裕がない」
のように切羽詰まり咄嗟の対応を迫られた時
….などプレッシャーがかかった時の言動で後悔することが多いように思います。

こんな時、
【「ゆっくり」した言動を心がける】
というのは当たり前の教えのようですが、これがなかなかできないのです。

「ゆっくり」した言動とは?

私が教えてもらった、その言動というのが、心の中で「落ち着いて」といくら唱えても効果がないということ。

▼具体的には

口に出す言葉も
心の中の言葉も
『スローテンポで話す』

吐く息を長くし、
「ちょっとスローに動く」

……彼女から教わったのは、この2点です。

その後、私なりに解釈してみました。

私自身、元来、慌て者です。
でも、この話を聞いてから実践を心がけることでムダな動きが少なくなったように思います。

動きの速さや早口は、個性のようで、変えられないと思われがちですが、そうでもないようです。

プレッシャーが強い時、無意識にバタバタとした動きや早口になると、それは周囲に伝播します。
また、
一人の時であっても、中身のない空回りの行動になっていることもあります。

ちょっとぐらい急いでも、
それが間違った選択や、ケアレスミスに繋がっては急いだ意味はなく、余計に情けなくなります。

そして、初めにもお伝えしたように
プレッシャーの時の言動にこそ、その人の本性、というか核の部分というか、器のようなものが表れるようです。コトがうまくいってる時、平静時にはわからない所ですね。

でも、中には
「うわべだけ変えても、仕方ない」と思われる方もおられると思いますが、それが、そうでもないのです。

なぜなら
振る舞いに精神がついてくるからです。

バタバタと「忙しない言動」から「ゆっくりと優雅な振る舞い」へと意識することは、余裕のない状態から少し離れ、プレッシャーの渦中に在りながらも冷静な思考に近づけます。

現代を生きる私たちは
・動画は自由に再生速度を変えることができ
・注文したものは翌日届き、
・日々の変化は目まぐるしい
速さの中で生きることを余儀なくされています。

そんな時代に生きる私たちだからこそ、この「ゆっくりと優雅な振る舞い」は大切なのではないかと思います。

身近な例では
パソコンの打ち方、
キーボードを叩くように音を立てて打つ人、

一方、
静かに軽やかに打つ人。
打てた文字数は変わらなかったり、静かに打ってる人の方がミスがなかったりすると、チョッと笑えませんよね。

他には
駅の自動改札でカード読み取り部分に「バタンッ!」と強く叩きつけるようにする人と優しく触れさせる人。

他、
物の置き方・渡し方
歩き方など…..

音を立てないというのは、教わったこと以外に私が気をつけるように加えたことです。

地味な心がけですが、続けることで、いざという時に発揮する威力は想像以上です。今スグ何かがガラッと変わるようなことじゃないけれど、効果は確実に見えてきます。

あなたは日頃のご自身を振り返り
どんな態度が目に浮かびますか?


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