「片親」という表現は最近使われなくなったかもしれません.…でも、まだ根強く残っているように思います。「片親」という響きは、「両親そろった子育てが一番」「シングルの子育ては、養育に欠けた部分ができる」などの悲観的な考え方を想わせます。そのため、多くのシングルママ・パパは「できるならパートナーと一緒に育てたい」「喜んでシングルになったわけではない」そんな思いを持ち、悩みながらの子育てだと思います。

そこで、

シングルママでもパパでもココを押さえておけば少し気がラクですょ….というようなポイントをご紹介します。それが父性と母性の切り替えポイント「父親スイッチ」です。父母の役割を知り、このスイッチを心がけて子育ての悩みを少しでも減らしてもらえると嬉しいです。

父親スイッチは当サイトの造語です。

子育ての中の2つの姿勢

子育ての中で

1)比較的幼い子どもへ伝えなければならない日常生活での雑事的注意2)思春期に向かう子どもへ伝えたい生きる姿勢のようなもの

大きくわけて2つ考えられます。(細かく分ければもっとあると思いますが、ここではザックリ…と)

1は、礼儀作法や生活習慣、危険な行為への警告などがあります。

難儀なのは、2の生きる姿勢というか、生きる術というか、人としての道のようなものを伝える時ですね。

ここでは、
子育て中に知っていると便利な心理学者・(故)河合隼雄氏の示す父性原理・母性原理を踏まえ「父親スイッチの入れ時」をお伝えします。

母性と父性の役割について

「母性」というのは、子どもを産み育てる中で、子どもがどういう状態であっても温かく包み込み育む性です。その包み込む力が子どもの安心安全を保障します。ただ、これと同時に包み込み方によっては、子どもの自立を阻むネガティブに働く側面も持っています。

例えば、
・「もう大きいんだから、何でも自分でやりなさい」と言いながら、小学校高学年になる子に「ハンカチ持った?宿題は?」とかまってしまう。

・成人した子どもに「もう大人なんだから自活しなさい」と言いながら、一人暮らしの資金援助をする

…..など、言葉とは裏腹な行為をしてしまう。

そうされることで子どもの心には「まだまだ助けてもらえる」という感覚が芽生えてしまいます。言葉で発せられたものより、その裏にある真のメッセージが子どもの無意識に届き、知らず知らずの内に母親に呑み込まれる(まとわりつかれる)感覚と、まだ甘えられる依存心が同居するという何とも違和感のある状態を作り出します。

それに対し父性は、
社会の中で”個”を作り上げる為に「ダメなことはダメ」とハッキリと示すことで、自立を促す厳しさを示す性です。

とても簡単に解説しましたが、上記の母性と父性がバランスよく家庭に存在することで子どもが自己確立しやすい環境が作られます。

….ということは
両親そろっていても、このバランスがとれていなければ適切な子育てとは言いづらいし、シングルでもまあまあバランス良ければ片親の欠けた子育てと卑下することもないようです。

普段の細かいことは母性主体のモードで、時には厳しく、時にはやんわりと、子どもの様子をみながら繰り返し伝えていくという姿勢が通常だと思います。

しかし特に思春期以降、
「社会の中でどう在るか?」という視点も含めて、親が「これは、譲れない、曲げられない」という主張をしっかりと伝えるべき時があります。そんな時、母性モードで子どもの様子を伺いながら、やんわりと…というわけにはいかないこともあります。

そこで、
子どもの将来を想いつつ、親の生き様とも言える信条を伝える時、父性モードの出番がきます。

シングルの子育て

父性は父親が
母性は母親が

担わなければならないということはありません。
父親が母性を、母親が父性を担っている家庭もあります。

父性原理でいう父親モードというのは、曖昧さを許さない「切断」とも例えられるハッキリとした態度のことです。つまり、親子の馴れ合い的「なぁなぁ」の感覚ではなく、どんな反発があっても、高い壁のようにそそり立ち、態度をくずさない姿勢がそれにあたります。

日常レベルの些細なことは、目くじらを立てる必要はありませんが、ここぞ!という時は、口調、顔つきなどを変えて伝える。そうすることで、子どもはいつもと違う親に何かを感じます。いつもギャンギャンと口うるさくしていると、いつが本気なのか…わかりませんから。

つまり、「何か」というのは親の「本気度合い」です。

人生における譲れない姿勢を伝えるには、親自身に信条(信じ守っていること)がなくては難しいです。気分によってコロコロと主張を変えていては、「本気さ」は伝わらないということですね。

子どもは、邪魔(親が必要以上に手をださない)をしなければ、ある程度自然に成長を遂げます。しかし、思春期に向かうあたりから「自分はこれからどうしていけばいいのか?」…と人生に迷いを感じかけた時、父性(理想のモデル)の存在を求めます。

シングルの子育てに限らず、親が子どもの真の成長を考える時、“父親スイッチ”をONにすることを意識することが大切です。なぜなら、子どもはいつまでも親の庇護の下では居らず、社会の中でいろんな問題を解決できる能力が必要になってくるからです。

母性の包み込み…かばう愛だけではなく、
父性の厳しさで子どもをつぶすでもない、

親自身が自分を持って、心の目で子どもを観ていることで、父親スイッチをON!にするタイミングがつかめてくるのだと思います。

親自身が「自分は何をしたいのか?」「何をしている時が充実しているのか?」など「心身が自由になる生き方」を意識していることで、子どもに伝わるものは思いのほか大きいようです。

▼改編
2021年12月10日