中年の危機とは

middle近年、40歳前後の方の来談が増えました。

もちろん、抱える問題はそれぞれです。

ただ、そこに共通するのが・・・
「私の人生、このままの生き方でいいのかしら?」という衝動に突き動かされたように人生を振り返るエピソードをお話になることです。ご自身ではそんな動機(中年の危機)じゃないと思う方も、この時期にカウンセリングに至った意味を考え始められます。

人生50年といわれていた時代には、こんなふうに振り返る必要もなく、結婚し、子育てを終え、子どもが独立する頃には徐々に身体が衰え死を迎える…というふうに人生は終ることができていました。しかし、寿命が延びたことで、考えざるを得ない60歳以降の生活(心の状態への不安)が漠然と迫ってくるのがこの中年期の入り口だといわれます。

昔の人は中年期を境に、そこから山を下るように老いていけば辿り着けたのが人生の終焉でした。
でも現在はそう簡単に死ぬことができなくなりました。女性の平均寿命は86歳だといいます。そうすると、60歳から30年近くの間をどう過ごすのか?を自身に問う時期がやってくるのです。

子育ても終わり、仕事も定年となる頃、日々何を思い過ごすのか?

今の日本では、心の健康維持は難しくても、身体は生きながらえるという状態も多くみられるようになりました。
今まで(20代・30代)は、勢いでも生きて来られました。睡眠不足だ!体調不良だ!といいつつも、何とか身体は動いてくれたのです。しかし、60歳以降も同じ調子であることは難しいです。そう考えると、ここからが「人生の本番」だと捉えることができないでしょうか?

それまで積み重ねてきたことが実る時期(収穫の季節)に入ります。家やお金などの形ある収穫とは違った、目に見えないものによる充足が欲しくなります。

あなたの充足に値するものは何なのでしょう?
安心、和み、癒し…につながるものは何でしょう?

中年の危機が迫り来るのは、60歳以降をどう過ごすかを憂い、今後の人生を問い直す時季だからかもしれません。


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