怒りのメカニズム

怒り

「怒りっぽい性格だ」と感じる人は、人前で怒りをあらわにしたことで後悔したり、そこまでのことはなくてもイライラが収まらず、心穏やかでいられない状態をもてあましておられると思います。同じことが起きても怒らずに済ませる人と、無性に腹が立ちそれを表してしまう人とは何が違うのか?また、日常的に怒りをぶつけてくる人が居る…という方、その人の心はどうなっているのか?など怒りの素を知って、対処法を考える手がかりになさってください。

怒りの発生から見ていきましょう

【例えば、共働きの夫婦の場合】
今日は夫のほうが帰宅が早いので洗濯物を取り込んでおくように頼んで出勤しました。
その時の夫に対する3通りの怒り

1:洗濯物を取り込んでおいてくれた⇒安心
2: 〃  を取り込み、たたんでクローゼットになおしてくれていた⇒喜び
3: 〃  を取り込まず夫はテレビを観ていた⇒怒り(不満)

この3つの反応の軸になるものは何なのか?

1:期待通りなら⇒安心
2:期待を上回ると⇒喜び
3:期待が破られると⇒〇〇〇⇒怒り

怒りの正体

反応の多くはこのようになります。あなたの期待度によって反応が変化します。
ただ、1・2番と違い3番は怒りに発展する前の段階があります。この段階で湧きあがるものを第一感情といいます。

例えばこのようなものがあります。
がっかり(落胆)・残念・さみしい・やるせない・無力感・羨ましい・焦り・悲しい・困る・悔しさ・つらさ・驚き・孤独・恥ずかしさ・戸惑い…etc

この場合だと洗濯物を取り込んでくれてなくて湧き上がる第一感情は「がっかり」「残念」としましょう。この「がっかり」「残念」という第一感情を誤魔化したり隠そうとする手段として発生するのが「怒り」です。ですからこの第一感情(がっかり・残念・淋しい)を適度に伝えることができると怒りに結びつきにくいのです。

プリント
第一感情を伝える⇒「洗濯物取り込んでって頼んでいったのに、TV観てる姿見てがっかりだわぁ」
第二感情を伝える⇒「いいかげんにしてよ!私が朝言ったこと聞いてなかったの!」

第一感情(期待する気持ち)を伝えられず第二感情(怒り)に発展すると相手が受け容れづらい感情をぶつける言動になります。同じことを優しく何度言っても効き目がない…と怒りに発展することもあるでしょうが、まずはこの仕組みを知ってください。起こったことがあなたを怒らせるのではなく、それは単なるきっかけに過ぎません。同じことが起こっても怒りに発展させない選択もできるのです。

怒っている人=〇〇な人

上記を見ていくと「怒っている人は第一感情を適度に表現できずに困っている人」ということがわかると思います。怒りが湧いた時、自分がどんな期待やルール(枠組み)を持っているのか?どんな感情を適度に伝えられずに困っているのか?を確認することでみえてくるものがあります。そしてその見えてきたものをどのように伝えればいいのかにエネルギーを使いましょう。怒りにエネルギーを使うよりも賢明です。
また、あなたが怒りをぶつけられる側なら「怒っている人=困っている人」ということから「何に困っているのかしら?」という想像を働かせ、困っている内容(気持ち)をうまく代弁してあげると溜飲が下がることもあります。

※第一感情を伝えるときは、相手によって、またその状況によって工夫が必要です。


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